福祉住環境コーディネーターとは1999年に誕生した民間資格で、高齢者や障害者が安全かつ安心して暮らせる住環境の提案を目的とする資格である。資格の詳細は『「優しい住環境」を整えるスペシャリスト』を見てほしい。
福祉住環境コーディネーターの活躍の場としては、まず医療分野がある。高齢者や障害を持った方が利用しやすい病院の環境整備や、福祉用具のアドバイスなどを行うのだ。また福祉分野においては、高齢者福祉センターやグループホーム、介護保険施設などの住環境整備についてアドバイスを行うのがこの資格を持つひとの仕事である。
しかし福祉住環境コーディネーターが活躍できるのは、医療や福祉の現場だけにとどまらない。たとえば介護用品を扱うショップや福祉機器メーカーでは、福祉や介護の知識を生かし商品の企画や開発に携わることが可能である。また、建築業界や不動産業界も福祉住環境コーディネーターの活躍が期待される分野である。
ますます高齢化が深刻になる日本において、年齢を重ねてもなお住み続けられる住宅への需要は年々高まっている。それと同時に、長年住み続けてきた住宅をバリアフリーに変えるためのリフォームも重要視されている。高齢になっても安心安全に暮らせる住宅の建設やリフォームを実現するには、高齢者が快適に過ごせる住環境に関する総合的な知識が必要である。そのため、高齢者や障害者が暮らしやすい住環境の専門家である福祉住環境コーディネーターの活躍が、建築業界や不動産業界においても期待されるのである。